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ツブヤキ(2015/1/29):
 昨年の紅白歌合戦。大トリにおいて、47.5%という瞬間最高視聴率を記録したという。
 ほぼ「半分」という数値に、紅白は今も強いなと改めて感じつつ、一方で、この番組が過去に記録した最高視聴率のことを思い出した。

 85.3%という、とてつもない数字である。もちろん、日本のあらゆるテレビ番組における最高数字だ。瞬間値で、それを出したのが誰かといえば――

 漫画家の根本敬が、次のような大胆な説をとなえている。五月みどりのヒット曲「一週間に十日来い」は、ビートルズのヒット曲「エイト・デイズ・ア・ウィーク」に影響を与えているというのである。

 「エイト・デイズ・ア・ウィーク」は、「一週間に八日、あなたを愛する」という内容の歌だ。もしかしてこれは、「二日間はかんべん」という意味を潜ませた、五月みどりへのアンサーソングなのか……。

 もちろん、根本説は、「手塚治虫の『ジャングル大帝』は、ディズニーの『ライオンキング』に影響を与えている」といった指摘とは、まったく別の味わい方をすべきものと思うけれども。

 私はこの説にふれて以来、「エイト・デイズ・ア・ウィーク」を耳にすると、何だか、「一週間に十日来い トコトン トコトン」という五月みどりの声が頭をよぎるようになった。いずれの曲も、ヒット当時というより後年知ったのだが。

 もしかするとあの「トコトン トコトン」は、拍子を装った、「とことん来い」と相手に強いる呼びかけであろうか?

 この曲の1年前のヒット曲、「おひまなら来てね」は、とてもひかえめな誘い方であるのに、たった1年後に「一週間に十日来い!」へ激変しているのは、ちょっと恐い。

 これは五月みどりが後年、男を食べてしまう「かまきり夫人」になったことを思えば、なおさらである。ほいほい行ってはならないのだ。世には、恐いもの好きの人もいるが……。

 紅白史上最高(&日本のテレビ番組最高)の、瞬間視聴率85.3%を記録した曲というのは、この「一週間に十日来い」である。1963年の紅白においてだ。

 おもしろいのは、「エイト・デイズ・ア・ウィーク」が、このすぐ翌年の、1964年に作られていることである。ビートルズがマネしたとは思われないが、このころ世界は、同じ特殊な着想の空気に覆われていたのかもしれない。


お知らせ(2015/1/4):
 「まいどばかばかしいおはなし」の第1巻は、2013年夏の発行後、読みやすくしたり配置を変えたりといった改訂を少し行っています(本文の内容自体は変わっていませんが)。第2巻の発行にあわせ、表紙も若干リニューアルしました。

 Amazonサイトでカスタマーサービスに連絡すると、書籍の最新の版がダウンロードできるようになります。そのままですと、書籍に改訂があっても、端末への再ダウンロードでは買った時点の古いデータが読まれるようです。

 電子書籍には本文へのメモ記入機能があるため、本文が改訂(たとえば一部削除)されると、付けたメモも無くなってしまうことなどが関係していると思われます。
 書籍によっては、最新情報をひんぱんに追加しているようですので、まとめて更新依頼するといいかもしれません。


お知らせ(2014/11/30):
 「まいどばかばかしいおはなし」第2巻が出ました。
 前巻にくらべ、いろいろな意味で、よりバラエティに富んでいるかと思います。

 なお、2014年12月より、本書はAmazonサイトのみの販売とさせていただきました(楽天koboですでに購入された方は、今後もそちらで再ダウンロードが可能です)。

 続巻刊行を記念して、および(個人的関心から)今年の田中将大のヤンキース移籍&活躍を祝して、第1巻の話の立ち読み箇所をひとつ増やしました。ニューヨークものの話です。上の「Book」ページをご覧ください。

 シーズン途中に、故障で離脱したのは残念だったものの、昨年の日本での無敗ぶりをそのまま持ち込んだような彼の今年前半の活躍はあざやかでした。春に遅めの初登板をして、離脱が7月初めだったのに、そこでもう12勝もしていたという……。

 自己管理に長けた選手であり、さらに黒田博樹という最良のMLB適応見本(39歳で今年もフルシーズン故障なく投げ通したのはみごと)といっしょに1シーズン過ごせたわけですから、いずれうまく適応していくことでしょう。

 それにしても、メジャーリーグのチーム、それも天下のヤンキースの先発投手陣が、今年はいっとき日本の2選手だけで持っていたような状態で、「野茂」以前の、メジャーが雲の上の存在だった時代を思い出すとまさに隔世の感があります。

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