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ツブヤキ(2017/10/20):
 先日、上野動物園で生まれたパンダの名前が、「シャンシャン」に決着したというニュースがあった。

 名前の最終的な候補は八つで、「〇ン〇ン」という形の名が、そのなかに二つ。投票ではそれらがダントツの1位&2位であった。
 「〇ン〇ン」でないとパンダ感が出ないということだろうか。

 「シャンシャン」は、日本の辞書でも「手打ちの音」と解説されているサウンドであるから、事後に異をとなえるつもりはむろんない。
 ただ、このような日本生まれパンダについては、「何か中国ふうの名をつけねば」という発想から、いつか思いきって離れてもいいのではないか。

 和歌山のアドベンチャーワールドで続々生まれているパンダには、「〇ン〇ン」的反復形でない名前がつけられている。ご当地「白浜」にちなんだ名前である。

 神戸の王子動物園は、かつて震災復興の思いをこめ、中国名「錦竹」であるパンダに、「興興」という日本名をつけていた。日本でだけ、独自の名前をつけることはOKなのだ。

 その後、中国から来た龍龍という別のパンダが、二代目「興興」を襲名していた。歌舞伎や落語の文化をもつ、わが国らしい発想。やはり、名前に特別な愛着がいだかれたためだろう。

 特に意味を感じぬ、よく似たカタカナ名(カンカン、ランラン、ホアンホアン、トントン、リンリン……)が次々つづくと、後年ふり返ったとき、個々のパンダの印象が非常に希薄である。どれがどれでもいいような感じ。

 実際、パンダがどっさり生まれる国、中国では、ああしたよく似た名前の群れは、漢字しかない国における、たんなる識別記号に近いのではないか。

 日本生まれのパンダには、それよりちょっと思い入れを加え、「産地」ならではの日本ぽい名前をつけるとか、生まれた時代らしい何かを、名前の文字や音へ反映さすといったことをしてもいいと思う。
 中国へ送られた際には、先ほどの錦竹=興興と反対に、あちらが独自の呼び名をつけることだろう。

 そういえば今回、パンダ名の投票で、「マオマオ」という特殊な音の名がけっこう上位に入っていた。数ヶ月前に、あの出来事があったためではないか。
 こうした故人の惜しみかた、新しい生への思いの託しかたもあるのだなと思った。
 もちろん、浅田さんのほうの意味も入っているかもしれないけれど。

 新生パンダを、特定個人と結びつけることには賛否両論あろうが、このような、意味をはっきり感じさせる名が選ばれていたなら画期的であった。

 一方、「ルールー」という候補名が、親パンダが「リーリー」ゆえ自然な命名なのに低得票だったのは、「何だか、ルー大柴を思わせる」というためらいが、人々の心に生じたためではないか。

 可愛い子供パンダを見たとき、少なくともそこでは連想されないほうがいい何か(誰か)も、世のなかにはある。
 (トゥギャザーしないほうがいいサムシングもある)

 ついでながら、ルー大柴の公式ブログ、その名も「TOGETHER」は、おそらく日本一、カタカナ使用率が高いブログだ。
 トップページを飾る顔写真には、カレールーのように複雑な味わいがある。
 還暦を過ぎても、枯れた俳句等ではなく、「きょうのルー語」などというものを作っている姿勢は、学びたいと感じている。


ツブヤキ(2017/9/20):
 前にこの欄で書いた、ひんぱんに送られてきて、フィルタで除去しがたい迷惑メール。土日や祝日は送信がきっちり止まる、向こうの健全生活が伝わってくるあれ。

 先月に入ってしばらくしたら、このメールがぱったり来なくなり、効果がないからやめたのかもと、猛暑のなかにいっときの涼を感じていた。

 便りのないのはよい便り。

 いや、むしろ向こうで深刻な問題が生じていてほしい……。

 そうしたら、9月に入ったとたんまた送信がはじまった。たぶん「夏休み」だったのだ。停止日数から推測するに、3週間以上の……。

 まったく、ゆとりある生活のなかで迷惑行為をしてやがるなあ。憎まれっ子、世にハバかるというやつか。
 「ハワイへ行ってきましたぁ!」みたいなことが書かれてないか、9月の最初のメールは、文面を読んでしまった。

 夏がこのようだと、正月休みはどのくらいとるのだろう? いままでの様子から、なんとなく2週間くらいと予想している。
 むろん、そこへ至る前に消え失せてほしいが……。

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